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文献詳細

雑誌文献

臨床外科54巻13号

1999年12月発行

文献概要

特集 大腸の非腫瘍性疾患—外科医のための診療指針

直腸脱の治療

著者: 斎藤和好1 樋口太郎1 大塚幸喜1 旭博史1

所属機関: 1岩手医科大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1583 - P.1586

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 直腸脱とは直腸が肛門外へ脱出した状態であり,直腸壁の全層が脱出した完全直腸脱と,粘膜あるいは粘膜下組織のみが脱出した不完全直腸脱に分類される.診断は容易であるが,脱肛や直腸粘膜脱との鑑別が重要である.治療では不完全直腸脱や幼児の完全直腸脱に対しては,軟膏塗布や緩下剤投与などの保存的治療が適応となる.また完全直腸脱に対しては,全身状態が不良のことが多い高齢者には侵襲の小さい会陰式のThiersch法やGant—三輪法,および両者の併用療法が有効である.全身状態良好な患者には再発が少なく,根治性の高い経腹的な直腸固定術(Ripstein法など)が有効である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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