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文献詳細

雑誌文献

臨床外科54巻13号

1999年12月発行

私の工夫—手術・処置・手順

Single tubeによる経皮経肝,胆管・胆嚢ドレナージ

著者: 岩瀬博之1 渡部脩1 鈴木義真1

所属機関: 1江東病院外科

ページ範囲:P.1590 - P.1591

文献概要

 胆道悪性疾患による黄疸に対する経皮経肝胆道ドレナージ(PTCD)として,外瘻チューブの本数を減らすことは重要と思われる.三管合流部に浸潤する癌(図1上)では,左右の胆管が1本のチューブでドレナージできても,胆嚢管が閉塞されると胆嚢炎を起こす場合がある(図1下).この場合は胆嚢ドレナージ1)のためのチューブが必要になり,外瘻チューブが合計2本になるのが通常であるが,われわれは胆嚢および胆管を1本のチューブでドレナージしている.まず胆管を6Frのストレートチューブで型通りドレナージする.全身状態や胆嚢炎の状況が許されれば,このまま瘻孔がほぼ完成される2週間ほど減黄に努める.一期的な処置は時間もかかり,出血や胆汁漏出などの合併症の可能性が高いからである.胆嚢炎の処置が早急に必要であれば同時に胆嚢外瘻を置き,後に胆管との同時ドレナージを施行した後に抜去する.
 減黄が十分に行われた2週間後に胆管・胆嚢ドレナージを行う.当日は食事を中止し点滴をつけ,前投薬として標準的には硫酸アトロピン0.5mg,ペンタジンR30mg,アタラックスPR50mgを筋注し,また入れ替え前後の胆道内圧の上昇によるショックの予防策としてソル・メドロールR500mgを処置直前に投与する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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