icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科54巻2号

1999年02月発行

特集 癌転移治療のノウハウ

転移性肝腫瘍に対する外科的切除の適応と限界

著者: 杉岡篤1 江崎哲史1 藤田順子1 小森義之1 松井英男1 宇山一朗1 蓮見昭武1 丸田守人1

所属機関: 1藤田保健衛生大学消化器外科

ページ範囲:P.181 - P.189

文献概要

 転移性肝腫瘍に対する肝切除の適応と限界は画像診断および肝臓外科の進歩に伴い変化しつつある.本稿ではangio-helical CT(AHCT)の導入後の肝切除の適応と限界につき大腸癌肝転移切除例93例を中心に検討した.AHCTは1cm以下の微小肝転移の診断に不可欠であったが,検出限界は3mmで,5mm前後の腫瘍の質的診断は困難であった.AHCT施行例において残肝無再発生存率は良好で,特にH3症例でも良好であったが,生存率に対する効果はみられず,今後残肝以外の再発巣に対する治療が重要と考えられた.肝切除後の残肝再発切除を13例,肺転移切除を6例に施行し,良好な成績が得られたが,残肝再切除においてもAHCTが有用であった.非大腸原発肝転移17例を切除し,3例の5年生存例を得たが,大部分の症例は1年以内に再発死亡し,現時点では適正な肝切除の適応決定は困難であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら