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文献詳細

雑誌文献

臨床外科54巻2号

1999年02月発行

臨床報告・1

腹腔動脈起始部圧迫症候群を伴った胃癌の1切除例

著者: 馬場秀文1 渡辺稔彦1 板野理1 三浦弘志2 今井裕2 菅重尚3

所属機関: 1国家公務員共済組合連合会立川病院外科 2国家公務員共済組合連合会立川病院放射線科 3富士重工業健康保険組合総合太田病院外科

ページ範囲:P.253 - P.257

文献概要

はじめに
 腹腔動脈起始部圧迫症候群(celiac axis compres-sion syndrome:以下,CACS)は腹腔動脈起始部が横隔膜の正中弓状靱帯あるいは腹腔神経節などによって圧迫を受け,腹腔動脈の血流が減少あるいは途絶するために肝動脈血流が腹腔動脈以外の側副血行路により維持される結果,慢性的に腸管の虚血が引き起こされる比較的稀な疾患である1).臨床的には食後の腹部アンギーナおよび心窩部の血管雑音が特徴とされているが,全く無症状の症例もみられると言われている.今回われわれは,胃癌症例における術前血管造影,およびMRIangiography検査でCACSと診断し,胃癌手術の際に正中弓状靱帯の切離を施行し,術後の血管造影で腹腔動脈起始部狭窄および肝動脈血流の改善が確認された症例を経験したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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