文献詳細
カラーグラフ 消化器の機能温存・再建手術・7
胃全摘後空腸pouchによる代用胃作製手術
著者: 中根恭司1 井上健太郎1 飯山仁1 佐藤睦哉1 桝屋義郎1 奥村俊一郎1 明平圭司1 日置紘士郎1
所属機関: 1関西医科大学第2外科
ページ範囲:P.295 - P.299
文献概要
筆者らは10年程前より,70歳未満で術中StageIVを除く胃癌症例に対し,胃全摘術後のQOLの向上を目指して空腸pouchを用いた再建術式を採用し,従来のRoux-Y(RY),pouch・R-Y(PR),およびpouch・interposition(PI)法の3群を設定し,randomized controlled studyにてその有用性について検討してきた1).
PR法は術後愁訴,食事摂取量,術後体重,各種栄養指標,代用胃RI排出能などからみてきわめて有効な術式であり,pouch造設による有用性が示唆された.しかしPI法は生理的ルートであるにもかかわらずつかえ感が強く,QOLは不良であった.そこで1993年よりPI法につき改良を加えたところ,PR法にほぼ匹敵する良好な術後経過を得ている2,3).
掲載誌情報