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文献詳細

雑誌文献

臨床外科54巻6号

1999年06月発行

文献概要

カラーグラフ 消化器の機能温存・再建手術・10

空腸パウチ間置(JPI)による幽門側切除後の代用胃作製手術

著者: 三輪晃一1

所属機関: 1金沢大学医学部第2外科

ページ範囲:P.715 - P.719

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はじめに
 幽門側切除術の再建はBillroth I法が一般的である.しかし,術後5年以上経過した人々へのアンケート調査1)によると,癌再発の不安からは解放されたものの,少なくとも3分の2の人々は胃切除術を原因とする何らかの愁訴に悩まされている.とりわけ,術前に比べての“1回の食事量の減少”が問題で,“食事の内容に気をつける”,“時間をかける”,“間食を増やす”など,患者それぞれの工夫で対処しているのが現状である.
 筆者らはこのような“小胃症状”への予防策として,1989年残胃と十二指腸の間に口側は二重腸管によるパウチ,肛門側は順蠕動導管で構成される空腸脚を間置する再建法を考案し,jejunal pouchinterposition(JPI)と名づけ,Billroth I法に代わる再建法としてこれまで用いてきた1〜3).この再建法はパウチで残胃の貯留能を補い,順蠕動導管にダンピングと十二指腸胃逆流を予防する幽門の役目を期待するところに特徴がある(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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