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文献詳細

雑誌文献

臨床外科54巻6号

1999年06月発行

文献概要

臨床外科交見室

Where is McBurney's point?

著者: 佐藤紀1

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター外科

ページ範囲:P.780 - P.781

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 現在でこそ急性虫垂炎を重篤な疾患と考える人は稀で,虫垂切除術の死亡率もほとんどゼロに近く,外科を志す研修医が真っ先に執刀させてもらう手術となっている.しかしながら,手術療法が導入される以前の急性虫垂炎の死亡率はきわめて高く,50%に及んでいた1).急性虫垂炎に対して最初に虫垂切除術を行ったのは英国の外科医,Lawson Taitで1880年のことであったが1),この分野で最も名の知られているのはMcBurneyであろう.彼はMcBurney点,McBurney切開にその名を残している.しかし,McBurney点とはいったいどこなのであろうか.
 先日,学生のプリントを見ていたところ,「McBurney点は右の上前腸骨棘と臍を結ぶ線の中点である」との記載が眼にとまった.これは昔習ったのと違うぞ,と思いながら手近にあった教科書を調べてみるとその出典はすぐに明らかとなった.わが国で広く使われているであろう内科診断学の教科書であった2).確かにMcBurney点は上前腸骨棘と臍を結ぶ線(筆者注:臍棘線,あるいはMonro−Richiter線という)の中点であると書いてある.そこで最近わが国で出版された医学事典,内科,外科の教科書をいくつか調べてみると表のような結果となった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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