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外科医に必要な耳鼻咽喉科common diseaseの知識・13
頸部膿瘍
著者: 岡本和人1
所属機関: 1横浜労災病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.784 - P.785
文献購入ページに移動頸部膿瘍,特に深頸部膿瘍は病状進行の速さと重症度において緊急の診断,治療を要する疾患である.その頻度は高いものではなく,筆者の病院でも緊急手術で頸部外切開にまで至る症例は年間1〜4件である.しかし膿瘍前状態(pre-abscess)にある頭頸部領域の感染症の頻度は決して少なくない(表1).
また頸部膿瘍は往々にして原因となる感染症に対してすでに治療が先行していることが多い.抗生剤の起因菌に対する感受性,患者の易感染性(糖尿病,人工透析中など)の要因で治療効果が上がりにくい時に重篤な深頸部膿瘍に進展する例が多い.膿瘍の形成には嫌気性菌の混合感染が多くみられる(表2).
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