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文献詳細

雑誌文献

臨床外科54巻7号

1999年07月発行

文献概要

特集 膵臓外科に対するチャレンジ:切離・吻合の工夫 切離

器械による切離:超音波外科吸引装置

著者: 鈴木康之1 黒田嘉和1

所属機関: 1神戸大学医学部第1外科

ページ範囲:P.869 - P.872

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 膵尾側切除術後の膵液瘻発生予防を目的に,超音波外科吸引装置(CUSA)を使用し,良好な結果が得られた.CUSAにて膵実質を破砕しつつ,出現する主膵管,分枝膵管,血管を丁寧に結紮切離していく.膵断端の虚血,挫滅の原因となる膵実質縫合閉鎖は行わない.最近では膵頭十二指腸切除術でもCUSAにて膵切離を行っている.この際主膵管は1cm以上長く残し,再建は独自の膵管嵌入法を考案し,これまで6例に施行したが,膵液瘻や膵腸吻合部縫合不全は全く認めていない.CUSAによる膵の切離,再建は容易かつ安全性が高く,特に合併症発生頻度の高い,線維化や膵管拡張のない正常膵の切離には最適の手法である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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