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文献詳細

雑誌文献

臨床外科54巻7号

1999年07月発行

文献概要

特集 膵臓外科に対するチャレンジ:切離・吻合の工夫 切離

器械による切離:バイポーラーシザーズによる膵切離

著者: 安藤秀明1 田中淳一1 小山研二1

所属機関: 1秋田大学医学部第1外科

ページ範囲:P.873 - P.877

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 バイポーラーシザーズはハサミの刃端間に高周波電流を流して,凝固しながら切開していく器械である.膵頭十二指腸切除術における膵切離3例に使用した.実質臓器での応用例が少ないため肝切離実験で実質臓器の切離条件を検討し,0.5cm/秒,18wattで膵切離を行い,術中出血なく安全に膵切離を行い得た.バイポーラー凝固のため,刃間のみの凝固で周囲組織への障害が少なく,切離面に対する障害も少なかったため,主膵管の露出も容易であった.バイポーラーシザーズは他の器械に比較して,周囲組織および切離面に低侵襲であり,切離面が吻合部となる膵頭十二指腸切除における膵切離には適した器械と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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