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特集 膵臓外科に対するチャレンジ:切離・吻合の工夫
切離
文献概要
バイポーラーシザーズはハサミの刃端間に高周波電流を流して,凝固しながら切開していく器械である.膵頭十二指腸切除術における膵切離3例に使用した.実質臓器での応用例が少ないため肝切離実験で実質臓器の切離条件を検討し,0.5cm/秒,18wattで膵切離を行い,術中出血なく安全に膵切離を行い得た.バイポーラー凝固のため,刃間のみの凝固で周囲組織への障害が少なく,切離面に対する障害も少なかったため,主膵管の露出も容易であった.バイポーラーシザーズは他の器械に比較して,周囲組織および切離面に低侵襲であり,切離面が吻合部となる膵頭十二指腸切除における膵切離には適した器械と考えた.
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