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特集 膵臓外科に対するチャレンジ:切離・吻合の工夫 吻合
膵腸吻合:密着吻合法
著者: 柿田章1 吉田宗紀1
所属機関: 1北里大学医学部外科
ページ範囲:P.891 - P.896
文献購入ページに移動 われわれの行っている膵空腸密着吻合の手技と成績について述べた.合併症のない理想的な膵消化管吻合の手技上の必要条件とは,1)消化管と膵断端の確実な固定,2)膵断端の血流保持,3)膵液の完全ドレナージ,4)膵断端の完全被覆と考えらる.本術式はこれを満たすべく考案された.その手順は,1)膵管チューブの挿入,2)膵管と空腸粘膜の縫合固定,3)膵実質と空腸壁の貫通糸による密着縫合である.1990年からの連続162例の膵空腸吻合に臨床的に問題となる合併症は全くなく,本法はきわめて安全性の高い術式である.また,手技的に簡便でどんな技量の術者にも短時間で行える上,正常から慢性膵炎までどんな状態の膵にも応用が可能である.これを機会に本術式が広く普及することを期待している.
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