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文献詳細

雑誌文献

臨床外科54巻7号

1999年07月発行

文献概要

特集 膵臓外科に対するチャレンジ:切離・吻合の工夫 吻合

膵胃吻合(嵌入法+膵管胃粘膜吻合法)—特に膵管非拡張例に対する工夫

著者: 俵藤正信1 永井秀雄1 塚原宗俊1 吉澤浩次1 佐久間康成1 栗原克己1 大木準1 近藤泰雄1 安田寿彦1 笠原小五郎1

所属機関: 1自治医科大学消化器一般外科

ページ範囲:P.897 - P.903

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 膵頭十二指腸切除後の膵消化管吻合において,残膵が正常で膵管非拡張例に対しわれわれは膵胃吻合(嵌入法+膵管胃粘膜吻合法)を施行してきた.この膵胃吻合は胃後壁を切開し,膵断端を胃内に誘導後,胃内腔から膵実質を愛護的に縫合し確実な膵管胃粘膜吻合が可能な方法である.PPPDでは胃の前後壁を切開して上記吻合を行うが,胃切例では胃切離断端を開放して胃後壁と膵との吻合を行う.短期成績をみると,利点として縫合不全の頻度が少なくかつ縫合不全の重症化がないこと,欠点として術後胃内容停滞が高頻度であることが挙げられる.長期成績は,膵管の開存性が問題となる.概ね良好であるが,少数例に主膵管拡張が認められた.それには縫合不全,膵断端の血流,縫合針糸の関与が考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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