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文献詳細

雑誌文献

臨床外科54巻8号

1999年08月発行

メディカルエッセー 『航跡』・34

日米医師ドレスコード比較論

著者: 木村健1

所属機関: 1アイオワ大学医学部外科

ページ範囲:P.1058 - P.1059

文献概要

 毎日オフィスに送られて来る山のような情報の中には,大学職員としてセクシャルハラスメントの予防心得や,医療禍誤訴訟に巻き込まれた際の対策なども混じっている.医療訴訟の法延に出るのは被告と限らない.単なる証人として出延する場合でも,相手方の弁護士に相当痛めつけられるのを覚悟せねばならぬ.その対策を詳しく記した小冊子がなかなか興味深かった.
 まず渦中の手術や手技に関しては,あらゆる文献に目を通して理論武装し,相手に隙を与えない.出延の前に理髪店に行って,ボサボサ頭を整髪する.髪をきちんと七三に分けると,童顔でも大人びて見え,その道の大御所らしい印象を与える.次に持っているスーツの中で一番高価で仕立てもよく,落ち着いた色,保守的なデザインのものを選んでプロのクリーニング屋にプレスしてもらう.ワイシャツは白,洗いざらしたものでなく番手の高い上質なのをこの際新調する.ネクタイはスーツにマッチした落ち着いた色柄,靴も履き古したバックスキンなどでなく,ピカピカ光る高級に見えるのを選んで履く.上から下までバリッとした身なりで,背筋をすっと伸ばし,相手の眼の奥に焦点を固定して対決するのが肝心である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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