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カラーグラフ 消化器の機能温存・再建手術・13
全胃幽門輪温存膵頭十二指腸切除術
著者: 簾田康一郎1 国広理1 金谷剛志1 三辺大介1 亀田久仁郎1 望月康久1 遠藤格1 渡会伸治1 嶋田紘1
所属機関: 1横浜市立大学医学部第2外科
ページ範囲:P.1113 - P.1118
文献購入ページに移動1935年にWhippleら1)が膵頭十二指腸切除術(PD)を報告して以来,PDには消化性潰瘍を予防する目的で幽門側胃切除を加えることが基本的なことと考えられてきた.その後再建法について改良が加えられてきたが,術後に栄養不良のためQOLが低下する例がしばしばみられることから,1978年にTraversoとLongmire2)により全胃と十二指腸球部を温存した幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(PpPD)が報告された.術後に危惧された吻合部潰瘍の合併は少なく,また食事摂取量が十分で体重減少も少ないことが明らかとなった.適応疾患も最初は慢性膵炎などの良性疾患に限られていたが,最近では膵頭部癌などの悪性疾患に対しても施行されるようになった.教室では悪性疾患に対するPpPDは,第1分枝を含めて右胃動脈・右胃大網動脈は切離して幽門上・下リンパ節を完全に郭清するとともに,大動脈周囲リンパ節の郭清や神経叢切除も行い,根治性を失わないことを原則としている.このリンパ節郭清を加えた膵頭部癌に対するPpPDについて手技を中心に述べてみたい.
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