文献詳細
消化器疾患の総合画像診断
胃癌の腹膜転移
著者: 山村義孝1 小寺泰弘1 清水泰博1 鳥井彰人1 平井孝1 安井健三1 森本剛史1 加藤知行1
所属機関: 1愛知県がんセンター消化器外科
ページ範囲:P.1209 - P.1214
文献概要
進行胃癌にとって腹膜転移は最もよく見られる転移形式であり,手術の根治性を妨げる最大の要因である.しかし,その術前診断は困難なことが多く,開腹して初めて診断される例も珍しくない.腹膜転移を術前に知ることができれば手術の方針も立てやすいし,不必要な手術そのものを中止することができ,医療側のみならず患者にとってもメリットは大きいと思われる.そのため最近では術前に腹腔鏡検査を行う施設が増えつつあるが,腹腔鏡検査といえども腹膜転移をすべて診断できるわけではなく,患者に与える侵襲も小さいとは言えない.そこで本稿では,腹腔鏡検査よりは精度が落ちるかも知れないが,はるかに侵襲が小さい注腸X線透視の有用性について述べることとする.
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