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特集 肝臓移植を理解する
文献概要
臓器の移植に関する法律が施行され,わが国においても脳死臓器移植の実施が可能となった.法施行とともに関連諸規則の策定,多臓器対応のネットワークの発足,移植希望者の適応評価と登録,意思表示カードの配布,臓器提供マニュアルの作成,各臓器提供施設における施設内の態勢整備,臓器搬送体制の整備などが着々と進められてきた.1999年2月末,わが国第1例目の脳死ドナーからの多臓器提供が行われ,6月までに4件の多臓器提供が実現し,心移植3例,肝移植2例,腎移植8例が実施された.今後さらに脳死臓器移植を定着させて行くためには,意思表示カードの実効的配布,臓器提供施設の負担軽減と公的支援,移植実施施設の拡大,法の見直し,死体臓器移植への健康保険の適用と死体臓器加算の新設,その他の費用負担の軽減などが必要と考えられる.
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