文献詳細
特集 肝臓移植を理解する
文献概要
小児生体肝移植症例381例の成績を検討した.全体での患者生存率は83.2%であったが,成績不良例は術前にICU管理を要した緊急症例(66.1%),血液型不適合症例(71.2%),10歳以上の年長児症例(68.8%),劇症肝炎症例(59.1%)であった.グラフト重量と患者体重の%比(GRWR)が1%未満の場合の患者生存率は65.1%と有意に不良であり,体格の大きい年長児の成績と相関していた.治療時期を1995年までの前期と1996年以降の後期に分けると,患者生存率は前期の78.1%から後期には88.1%と改善した.しかし,ICU管理症例と劇症肝炎症例(特に非A非B型)の成績改善は得られておらず,今後の課題である.
掲載誌情報