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文献詳細

雑誌文献

臨床外科55巻1号

2000年01月発行

特集 肝臓移植を理解する

生体ドミノ分割肝移植の経験

著者: 中村太郎1 藤田士朗1 江川裕人1 木内哲也1 上本伸二1 猪股裕紀洋1 田中紘一1

所属機関: 1京都大学移植外科

ページ範囲:P.73 - P.77

文献概要

 今回,家族性アミロイドポリニューロパチーである50歳代男性の生体肝移植手術において,摘出肝をin situで分割し2人の患者に移植する,いわゆるドミノ分割肝移植を行った.一次レシピエントにおいてはCantlie線で肝を切離し,右葉を摘出,右門脈一下大静脈シャントを作成後,残る左葉を摘出した.一次レシピエントの手術での通常の手術との相違点は,術中胆管造影検査を行ったことと,体内での肝分割を行ったことであったが,造影検査での合併症はなく,肝切離にかかった時間や肝切離時の出血量も少なく,手術手技上の不利益は少なかったと思われた.今回の手技は生体肝移植手技の延長であり,脳死肝移植が発展するまでの間の一手段として有効と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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