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文献詳細

雑誌文献

臨床外科55巻10号

2000年10月発行

文献概要

外科医に必要な脳神経外科common diseaseの知識・3

けいれん

著者: 松本健五1

所属機関: 1岡山大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.1326 - P.1328

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疾患の概念
 けいれんは筋肉の急激な,かつ不随意な収縮をいう.Convulsion,spasm,crampはいずれも日本語でけいれんと言われる.Convulsionは随意筋の急激な不随意な収縮である.範囲が広く,てんかんやヒステリーにみられるようなものにも使用される.これに対しspasmは比較的限局性,恒常的な不随意筋の収縮,例えば食道けいれん,喉頭けいれんなどに用いられる.しかし,顔面けいれん,眼瞼けいれんなど,随意筋にみられる筋収縮に対して慣用する場合もある.一方crampは痙直(こむらがえり)ともいい,有痛性の筋収縮に用いられる.
 Convulsionはてんかんの最もありふれた症状である.元来てんかんはこの全身けいれん発作(大発作)を指していたが,その後小発作や精神運動発作などと呼ばれるものも含められるようになった(表1).その分類や本態に関しては必ずしも意見の一致をみていない.てんかんにおけるけいれんは反復性の間代性(clonic)けいれんと持続性の強直性(tonic)けいれんの2つに分けられる.しかし,これらが単独にくることは稀であり,両者を伴う強直間代発作が日常診療で最もよくみられる.この全身けいれん発作は中枢神経に異常が発生したことを警告する症状であり,意識障害を伴っていることが多く,的確な処置を必要とする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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