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文献詳細

雑誌文献

臨床外科55巻11号

2000年10月発行

特集 癌治療のプロトコール—当施設はこうしている

Ⅴ.胆管癌治療のプロトコール

山梨医科大学医学部・第1外科

著者: 藤井秀樹1 松田政徳1 板倉淳1 飯野弥1 河野浩二1 宮坂芳明1 河野寛1 三浦和夫1 飯塚秀彦1 松本由朗1 大西洋2

所属機関: 1山梨医科大学医学部第1外科 2山梨医科大学医学部放射線科

ページ範囲:P.155 - P.164

文献概要

術前診療のプロトコール
 1.術前患者の評価
 ①癌の進展度診断
 胆管癌の進展度診断の基本となるのは直接胆管造影像である.胆道ドレナージ施行後に種々の体位で胆管を描出し,狭窄像,壁の不整像,硬化像などの変化を詳細に分析する.特に,壁の硬化像はその判読に熟練を要するが,癌の進展範囲の判定に最も重要な情報を与えてくれる.肝門部胆管癌では,肝側胆管への進展度の評価はその後の治療法の選択に際して最も重要な因子であり,特に尾状葉枝への進展の有無は,肝切除施行の適応決定に重要であり,肝内胆管をその区域ごとに1本ずつ同定することが肝要である.
 胆道ドレナージ術の術式には,内視鏡的胆道ドレナージ術(endoscopic biliary drainage:EBD)と経皮経肝的胆道ドレナージ術(percutaneoustranshepatic biliary drainage:PTBD)が含まれる.PTBDに関しては,教室では全例ドレナージチューブの留置に成功しているが,肝内門脈損傷とその後の術中の肝動脈血流の遮断ないしは低下に起因すると考えられる,術後の損傷肝内門脈より末梢の領域の肝梗塞(図1),ならびに2回以上の穿刺による胆汁の腹腔内漏出と,それによると考えられる腹膜播種再発を経験するに至って,内科の協力を得てEBD,なかでも内視鏡的経鼻胆道ドレナージ(ENBD)を施行している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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