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文献詳細

雑誌文献

臨床外科55巻11号

2000年10月発行

文献概要

特集 癌治療のプロトコール—当施設はこうしている Ⅷ.甲状腺癌治療のプロトコール

名古屋第一赤十字病院・外科

著者: 加藤万事1 服部龍夫1 小林陽一郎1 宮田完志1 米山文彦1 西尾秀樹1

所属機関: 1名古屋第一赤十字病院外科

ページ範囲:P.222 - P.228

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術前診療のプロトコール
 甲状腺癌の予後は図1に示すように分化癌と未分化癌では全く異なるため,常にこの両者は区別して考えざるをえない.また分化癌において腫瘤径が5cm以下で隣接臓器浸潤を伴わないT1, T2症例では当科ではこれまでに死亡例を経験していない(図2).さらに病理学的リンパ節転移の有無も予後に影響は認められず,むしろ周囲組織へ浸潤する顕性リンパ節転移を伴うN3症例であるかどうかが臨床的に重要である(図3).すなわち,甲状腺癌の中には,①臨床的にほとんど悪性の態度をとらないT1, T2NOの分化癌と,②他の癌と同様に外科医が再発させないよう治療戦略を熟慮すべきT4orN3分化癌と,③現在の医学ではいまだ全く治療法のない未分化癌の3者が存在することを十分に意識した上で,診断,治療を進めていくことが肝要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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