臨床外科55巻12号

2000年11月発行

特集 胃癌術後のフォローアップ：再発と二次癌対策

胃癌術後の一般的チェックと治療

著者： 丸山圭一¹ 笹子三津留¹ 木下平¹ 佐野武¹ 片井均¹ 菊地仁¹ 阪眞¹

所属機関： ¹国立がんセンター中央病院外科

ページ範囲：P.1369 - P.1372

　胃癌切除後の一般的チェックと治療について，われわれの経験に基づいて概説した．臨床上とくに大切なことは，全摘後にビタミンB₁₂を注射で定期的に補給しなければならないこと，また十二指腸液の逆流とダンピング症状が起こりやすいので，そのことについて少し詳しく述べた．この他に鉄欠乏性貧血，痙攣性通過障害，糖尿病，壊死性胆嚢炎を避けるための胆摘，胆嚢内結石など，胃切除後には多くの事項に配慮しなければならない．