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特集 胃癌術後のフォローアップ:再発と二次癌対策
文献概要
残胃癌の発生率は多くの施設で1〜3%と報告されており,U領域に発生する胃癌の罹患率から考えると高率であり,残胃が癌発生のリスクファクターと考えられる.残胃癌と初回病変と介在期間,潰瘍など良性疾患に比べ,胃癌術後では10.5年と有意に短く,術後比較的早くからの定期検査が必要である.また発生部位は,良性疾患術後の残胃癌では吻合部近くに多いのに比べ,胃癌術後では小彎縫合線,噴門直下にもみられるようになる.このような残胃の癌の特徴をつかむことで,残胃の癌をより早く発見していくこととともに,その原因とされる十二指腸液逆流を予防する術式の進歩も望まれる.
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