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文献詳細

雑誌文献

臨床外科55巻2号

2000年02月発行

文献概要

特集 イレウス診療のupdate 治療

イレウスの治療における全身管理の要点

著者: 市倉隆1 望月英隆1

所属機関: 1防衛医科大学校第1外科

ページ範囲:P.185 - P.188

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 イレウスの全身管理で重要な点は絞扼の有無や重症度,手術適応を的確に判断し,体液の消化管内への大量喪失および経口摂取不能状態に対し水,電解質,酸塩基平衡,栄養の管理を行い,腸管の拡張,虚血に伴う粘膜バリア破綻によるbacterial translocationや腸管穿孔から全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome:SIRS),さらには多臓器機能障害症候群(multipleorgan dysfunction syndrome:MODS)への移行を防止することである.まず適切な輸液を早急に開始して脱水および電解質・酸塩基平衡異常を補正し,広域スペクトル抗生剤投与を行う.SepticshockやSIRSを呈すればカテコールアミン,蛋白分解酵素阻害薬,副腎皮質ステロイドなど薬物療法によりショック治療と臓器障害対策を行う.重症例では血液浄化療法やエンドトキシン吸着療法も考慮される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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