特集 Sentinel Node Navigation Surgery
消化器癌に対するRadio-guided Sentinel Node Navigation Surgeryの開発と低侵襲手術への応用
著者:
北川雄光1
藤井博史2
向井万起男3
安藤暢敏1
久保田哲朗1
熊井浩一郎1
池田正1
渡邊昌彦1
大上正裕1
大谷吉秀1
小澤壯治1
古川俊治1
長谷川博俊1
中原理紀1
久保敦司2
北島政樹1
所属機関:
1慶應義塾大学医学部外科
2慶應義塾大学医学部放射線科
3慶應義塾大学医学部病理学
ページ範囲:P.307 - P.315
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乳癌や悪性黒色腫においてその臨床的有用性が実証されたsentinel node navigation surgeryも,消化器癌についてはその仮説の妥当性そのものが検証されていない.消化管リンパ流の多様性や,消化器癌における跳躍転移の頻度からその臨床応用に否定的な見方をする専門家も多い.われわれは,99mTc-tin colloidを術前内視鏡下に消化器癌病変直下の粘膜下層に注入し,術中ガンマプローブを用いてsentinel nodeを同定する手法を開発し,消化器癌におけるsentinel node conceptの妥当性の検証を行い良好な成績を得ている.さらに,内視鏡下手術に本法を導入した新しい消化器癌の低侵襲手術を開発し,臨床実地に向けた検討を進めている.本法を用いた消化器癌根治術の合理的個別化は,従来の画一的予防的リンパ節郭清に取って代わる新しい消化器癌外科治療の方向性を示すものと考えている.