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文献詳細

雑誌文献

臨床外科55巻3号

2000年03月発行

文献概要

私の工夫—手術・処置・手順

直腸切断術における右寄りの皮膚切開

著者: 安達洋祐1 北野正剛1 藤川由美子2

所属機関: 1大分医科大学第1外科 2大分医科大学附属病院看護部

ページ範囲:P.353 - P.353

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 直腸がんに対する手術は,肛門を温存する低位前方切除術が第一選択である.しかし,進行がんが肛門近くにある場合は,腹会陰式直腸切断術の適応となる.一般に直腸切断術では,下腹部正中切開で開腹し,S状結腸ストーマは左下腹部に造設する1,2).ところが,小柄な日本人では,正中の開腹創とストーマが近いため,ストーマ装具の貼付やストーマケアに,少なからず支障をきたすことがある.これは,皮膚切開を臍の右側によけても,切開が正中にあるかぎり解決できない.
 そこで私たちは,下腹部の右側に寄った斜めの皮膚切開を行い,切開創がストーマ造設部位から,十分に離れるよう工夫している.すなわち,臍の右で約2〜3cmの部位から,恥骨上縁の正中に向かって,弧状もしくはまっすぐの皮膚切開を行う.皮下脂肪を斜めに切り込み,腹直筋前鞘の正中にいたり,開腹は通常通り下腹部の正中で行う.したがって,以降の手術操作や術野の展開には全く影響しない.閉腹は通常通りに行い,皮膚の縫合糸の結び目は,ストーマと反対の右側になるようにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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