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文献詳細

雑誌文献

臨床外科55巻4号

2000年04月発行

文献概要

特集 各種ステント治療のノウハウ

胃・十二指腸疾患に対するステント利用

著者: 萩原優1 田中一郎1 小森山広幸1 宮崎治1 野坂俊介2 山口晋3

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院外科 2聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院放射線科 3聖マリアンナ医科大学消化器外科

ページ範囲:P.421 - P.427

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 上部消化管狭窄,特に食道狭窄に対する内視鏡とIVRの手技を用いたexpandable metallicstent(EMS)の有用性の報告は多い.しかし,胃・十二指腸狭窄に対するEMSの臨床報告はまだ少ない.筆者らはこれらの狭窄に対して10例のEMS症例を経験したので報告した.胃切除後は4例中3例で食物摂取が改善した.しかし,幽門と十二指腸狭窄6例では2例しか改善しなかった.EMSのデリバリーシステムは食道用として開発されているために,全長が95cmと短く,しかも硬く,胃内で「たわみ」が生じるため,幽門から肛門側にかけての留置は容易ではない.
 EMSは今後更に緩和医療にその有用性が期待されるので,器具の改良と保険適用が望まれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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