文献詳細
臨床報告・1
放射性腸炎に対する手術後に見られた多発性小腸潰瘍の1例
著者: 馬場秀文14 鈴木文雄1 三浦弘志1 今井裕2 笹井伸哉3 杉浦功一4
所属機関: 1国家公務員共済組合連合会立川病院外科 2国家公務員共済組合連合会立川病院放射線科 3国家公務員共済組合連合会立川病院病理科 4日野市立総合病院外科
ページ範囲:P.487 - P.491
文献概要
放射性腸炎は子宮頸癌などの骨盤内悪性腫瘍に対する放射線療法後に生ずることが多く,後腹膜に固定されている直腸などの大腸に発生することが一般的である.一方,小腸は腹腔内では可動性があり,放射線障害を受けることは少ない1).今回,筆者らは左腎癌に対しての手術および放射線照射22年後に放射性小腸炎および大腸炎の診断で手術を施行し,術後残存回腸に多発性潰瘍が発生した症例を経験したので報告する.
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