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特集 輸液:その組成・アクセス・管理
基礎疾患に応じた輸液—(2)呼吸不全
著者: 山下幸一1 渡海裕文1 尾関豊2
所属機関: 1国立東静病院麻酔科 2国立東静病院外科
ページ範囲:P.599 - P.602
文献購入ページに移動呼吸不全とは空気呼吸下で動脈血酸素分圧が60mmHg以下となる状態であり,動脈血中炭酸ガス分圧によりI型(45mmHg以下),II型(45mmHg以上)に分類される.また,期間により急性と慢性(1か月以上続く)に分類され,両者は全く異なった病態を示す.
急性呼吸不全は基礎疾患として肺炎,肺塞栓,気道閉塞,心不全,脳出血,成人呼吸窮迫症候群(ARDS:adult respiratory distress syndrome)などがあげられ,特徴として①著明な低酸素血症,②呼吸性アシドーシス,③電解質異常(総体内量は不変),④多臓器不全の合併がある.一方,慢性呼吸不全は基礎疾患として肺気腫,慢性気管支炎,肺結核,胸郭形成術後後遺症などがあげられ,特徴として①低酸素血症,②酸塩基平衡異常,③電解質異常(総体内量も変化),④高齢者が多い,⑤呼吸・循環予備能に乏しい(肺性心の存在),⑥慢性低栄養状態,⑦多臓器不全の合併がある.
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