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文献詳細

雑誌文献

臨床外科55巻6号

2000年06月発行

目で見る外科標準術式・6

幽門保存胃切除術

著者: 佐々木巌1 椎葉健一1 内藤広郎1 舟山祐士1 石井誠一1 福島浩平1 柴田近1 溝井賢幸1 児山香1

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科外科病態学講座生体調節外科学分野

ページ範囲:P.743 - P.749

文献概要

はじめに
 幽門保存胃切除術(pylorus preserving gastrec-tomy:PPG)は槇ら1)により胃潰瘍に対する幽門温存機能手術として開発されたが,最近では早期胃癌に対する機能温存手術として広く行われている.本術式における幽門機能温存のポイントは幽門輪から1.5cmの幽門部を残して口側の残胃と吻合して消化管再建を行うもので,幽門機能が温存されることによりダンピング症状や逆流性食道炎の発生が少なく,従来のBillroth Ⅰ法,Ⅱ法に比べて良好な術後のQOLが期待される2,3).実際のPPGではリンパ節郭清度の違いにより,胃潰瘍に対する術式と同様の術式からD2リンパ節郭清に近い術式まで様々なものがある.本術式の手技的ポイントは幽門部周囲の血管・神経の処理法と胃・胃吻合に対する熟練度であり,その他の手術操作については従来の遠位側胃切除術とほぼ同様と考えてよい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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