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文献詳細

雑誌文献

臨床外科55巻7号

2000年07月発行

特集 抗菌薬ベストチョイス—その理論と実際

手術部位感染防止のための予防的抗菌薬投与法—米国CDCガイドラインより

著者: 大久保憲1

所属機関: 1NTT西日本東海病院外科

ページ範囲:P.821 - P.825

文献概要

 米国CDCの「手術部位感染防止ガイドライン,1999」によれば,周術期の予防的抗菌薬は術後の感染を想定して選択するのではなく,手術操作の及ぶ範囲の術中汚染による感染防止を目的に投与されるものである.手術創の清浄度分類でクラスⅠ〜Ⅱが対象となり,多くの場合は第1世代セフェム系薬剤が適応となる.手術開始の30分前に投与を開始し,皮膚切開時に有効な組織内濃度が得られるようにする.長時間手術や大量出血あるいは肥満の患者では手術中に追加投与を行う.創部を閉鎖後,数時間は有効な血中濃度を維持できるようにし,投与期間は手術当日のみとする.以上のごとくCDCのガイドラインは,日本における術後3〜4日間の投与というコンセンサスとは違っているが,術式や社会的背景が異なっており,さらに慎重に比較して論議する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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