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文献詳細

雑誌文献

臨床外科55巻7号

2000年07月発行

特集 抗菌薬ベストチョイス—その理論と実際

術後感染治療薬の選択理論と実際

下部消化管手術

著者: 加藤高明1 岩井重富1

所属機関: 1日本大学医学部第3外科

ページ範囲:P.853 - P.858

文献概要

 下部消化管手術の術後術野感染の主な起炎菌は大腸常在細菌のうち,感染発症阻止薬で抑制されなかった菌である.したがって,Bacteroides spp.が初期治療として重要な対象菌種となる.ただし,術後縫合不全を合併する場合には大腸菌群も治療対象となる.閉鎖腔がない場合には短期投与計画を立て,オキサセフェム系のFMOXを第一選択する.閉鎖腔を有する場合には菌交代症を想定した長期投与計画を設定し,FMOX,CZOP,カルバペネム系薬などを順次選択する.縫合不全に起因した術野感染では敗血症,エンドトキシン血症に対する重症感染症治療,周囲組織への感染の広がりの抑止を目的にカルバペネム系薬を第一選択とする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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