文献詳細
文献概要
臨床報告・1
AFP産生十二指腸癌の1例
著者: 田中一郎1 萩原優1 上杉仁2 五十嵐三知郎2 郡司健2 張光哲3
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院外科 2白鴎病院外科 3白鴎病院内科
ページ範囲:P.915 - P.918
文献購入ページに移動Alpha fetoprotein(以下,AFPと略す)は原発性肝癌,悪性奇形腫で特異的に高値を示す胎児性糖蛋白の一種である.消化器癌においては胃癌1),胆嚢癌2),膵癌3)などでAFP産生例が報告されているが,十二指腸癌での報告はまれであり,本邦では現在までに12例が報告されているにすぎない3〜11).
今回われわれは,消化管穿孔による急性腹症で来院し,保存的加療にて軽快したのち,精査にてAFP産生十二指腸癌と診断され,待期的に手術を施行した症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
掲載誌情報