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特集 肛門疾患診療の実際とコツ
肛門疾患の診察と診断の進め方
著者: 高野正博1
所属機関: 1大腸肛門病センター高野病院
ページ範囲:P.945 - P.954
文献購入ページに移動 肛門部は狭い範囲で括約筋に閉ざされて種々の複雑な構造を示しているため,その診察,診断は簡単ではない.まず問診で症状を漏れなく聞き,訴えのすべてを検討し,それを満足させる診断がなされなければならない.患者の訴えと違う診断をつけ,治療をしても患者は満足しない.診察は視診,指診,肛門鏡診の3段階に分けられるが,いずれもていねいに行い,漏れがないようにする.各方向と深さにわたり,肛門周囲の組織,臓器なども十分みておく.特に指で触れるものと触れないもの,触れる範囲があるのでこれを十分わきまえておく.痔瘻は括約筋との関係において隅越の分類に従って診断をつける.肛門エコーが十分な補助手段となる.なお肛門疾患は奥のほうから手前に因果関係を持って連なっているので,この点も十分留意して観察する.
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