文献詳細
特集 外科医に求められる緩和医療プラクティス
緩和医療の実際 精神的ケア
文献概要
まず,緩和医療における精神療法の目標は,患者の中に闘病精神を培うことであるとしたうえで,がんの経過の各期における精神療法のあり方を論じた.がん発見時の患者ないしは家族の情緒的混乱に対する支持のあり方,ことに心理教育的接近,また寛解期の集団療法が示した延命効果,さらにはがんをめぐる不安から生じる精神医学的問題の扱い方,さらには終末期の一種特有のがん患者の心理をどう理解しどう対応するかを考えた.そして最後に,がん患者の自我は酷く幼児化しているため,医療スタッフに及ぼす情緒的影響には看過できないものがあり,それに対する対応を考えておく必要のあることを説いた.最後に,将来は情緒的支持をめぐるシステム化の必要性述べた.
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