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文献詳細

雑誌文献

臨床外科55巻9号

2000年09月発行

特集 外科医に求められる緩和医療プラクティス

緩和医療の実際 精神的ケア

がん患者の精神症状—その診断と治療

著者: 明智龍男12 中野智仁3 内富庸介12

所属機関: 1国立がんセンター研究所支所精神腫瘍学研究部 2国立がんセンター東病院精神科 3国立がんセンター中央病院精神科

ページ範囲:P.1101 - P.1105

文献概要

 先行研究から,がん患者に頻度の高い精神症状は,せん妄と抑うつであることが示されている.せん妄は意識混濁にさまざまな精神症状を伴う特殊な意識障害であり,がんの進行に伴い頻度が高くなる.せん妄の診断に際しては,症状の日内変動や見当識障害の存在などが重要である.背景に存在する原因に対しての治療が原則であるが,治療困難な場合は,対症療法として抗精神病薬を主体とした薬物療法が行われる.
 抑うつは,軽度のものも含めると,がんの全臨床経過を通じて20〜40%程度の頻度で認められる.抑うつの治療は,支持的精神療法と薬物療法を組み合わせて行われるが,抗うつ薬の投与に際しては,患者の身体状態や各薬剤の有する特徴を十分踏まえたうえでのきめ細かい投与計画が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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