文献詳細
特集 21世紀の外科—Tissue Engineering
文献概要
肝移植には,世界的なドナー肝不足の問題がある.この解決法として,近年tissue engineeringの手法を駆使し,肝臓をin vitro, in vivoで再生させる試みがある.現況は,in vitro, in vivoバイオ人工肝ともに,劇症肝不全時,肝移植までのブリッジユースとしてわずかに臨床応用されているにすぎない.さらにtissue engineeringもどのように臨床応用できるか模索している段階である.しかし,21世紀中には生物学的,工学的分野からの情報と外科医による治療的分野からの情報が融合され,バイオ人工肝治療の方向性が明確となるであろう.さらに外科医の技術は,障害肝とtissueengineeringで作製した肝臓とを置換する医療へと変換していく可能性がある.
掲載誌情報