文献詳細
文献概要
特集 21世紀の外科—Tissue Engineering
心臓疾患とTissue Engineering
著者: 福田恵一1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部心臓病先進治療学
ページ範囲:P.35 - P.43
文献購入ページに移動 近年の分子発生生物学の進歩により,これまでは不可能とされてきた細胞の再生が可能となってきた.心筋細胞ではマスター遺伝子のクローニングはまだなされていない.しかし,ES細胞や骨髄間葉系幹細胞の利用により心筋細胞の再生は可能であることが証明された.間葉系幹細胞は骨髄間質中に含まれる中胚葉系の組織の幹細胞で,これまで骨,軟骨,靱帯,腱,脂肪,骨格筋などの幹細胞であると考えられてきた.間葉系幹細胞由来の心筋細胞は,胎児型心室筋型の表現型を取り,心房利尿ペプチドANP,BNPを発現し,また自己拍動能を有していた.難治性心不全に対しては再生心筋細胞を用いた心筋細胞移植による治療が期待されている.
掲載誌情報