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文献詳細

雑誌文献

臨床外科56巻10号

2001年10月発行

外科医に必要な皮膚科common diseaseの知識・5

ホクロ,メラノーマ

著者: 斎田俊明1

所属機関: 1信州大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.1382 - P.1383

文献概要

疾患の概念
 1.ホクロとは
 ホクロは小型の黒色調の皮膚病変を指す俗語であり,漢字では「黒子」と表記される.「黒子」という文字は中国の漢書や日本の奈良時代の計帳(徴税のための台帳)にも見出され,古くから上述のような意味で使われていた.他方,黒子は皮膚科学の用語としては「こくし」と読まれ,欧米の1entigoの訳語として使われている.lentigoは語源的にlentil(レンズ豆:径4mm程度の凸レンズ状形態の黒褐色の豆)に由来する.古くから洋の東西を問わず,これらの用語はほぼ同一のものを指していたらしいことがわかる1)
 図1に黒子(lentigo)の定型像を示したが,このような黒子のほとんどは後天性色素細胞母斑であるとみなされる(小型の先天性色素細胞母斑も少数含む).筆者は黒子などの小型の色素細胞母斑は真の母斑(皮膚の限局性の組織奇形)ではなく,表皮メラノサイト(メラニン色素産生細胞)の良性腫瘍であると考えている1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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