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特集 画像で決める癌手術の切除範囲—典型症例総覧 Ⅱ.胃癌
センチネルリンパ節生検を伴う腹腔鏡下胃局所切除術
著者: 北川雄光1 久保田哲朗1 大谷吉秀1 古川俊治1 吉田昌1 藤井博史2 久保敦司2 向井萬起男3 北島政樹1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部外科 2慶應義塾大学医学部放射線科 3慶應義塾大学医学部病理診断部
ページ範囲:P.61 - P.64
文献購入ページに移動1990年以降,腹腔鏡下手術の登場で消化器癌の治療体系も少なからず変化を見せている.早期胃癌外科治療体系についてもいくつかのオプションが生まれてきている.腹腔鏡下手術が臨床応用される以前は,内視鏡的粘膜切除術(endoscopicmucosal resection:EMR)の適応からはずれる胃粘膜癌は開腹手術の適応となっていた.広範囲胃粘膜癌に対するEMRはおのずと分割切除となり,切除断端癌遺残の判定やリンパ節転移の危険を予測するうえで重要な深達度診断を正確に行うことが困難となるからである.教室では粘膜癌の確実な一括全層切除を目的として,1992年から病変吊り上げ法による腹腔鏡下胃局所切除術(lesionlifting,大上法)1)を開発し,施行してきた.教室における粘膜癌リンパ節転移状況の詳細な検討から適応基準を設定してきた.また,教室では大上法による腹腔鏡下局所切除が困難な部位の病変については,大橋らが開発した腹腔鏡下胃内手術を施行してきた.一方,近年の技術革新によりEMRにおいて一括切除可能な範囲も拡大する傾向にあり,腹腔鏡下低侵襲手術とEMRの適応が次第にオーバーラップすることが指摘されてきた.この両者の適応はリンパ節転移陰性例に限定するという点では基本的に共通である.
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