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特集 画像で決める癌手術の切除範囲—典型症例総覧 Ⅲ.十二指腸乳頭部癌・小腸悪性腫瘍
十二指腸乳頭部癌に対する内視鏡的乳頭切除術
著者: 伊藤彰浩1 後藤秀実12 廣岡芳樹12 橋本千樹1 丹羽克司1 石川英樹1 岡田直人1 早川哲夫12
所属機関: 1名古屋大学医学部第2内科 2名古屋大学医学部光学医療診療部
ページ範囲:P.98 - P.103
文献購入ページに移動十二指腸乳頭部腫瘍に対する内視鏡的乳頭切除術は未だ広く普及した治療法ではない.初期には手術困難な進行癌症例に対する姑息的治療1)として報告され,近年では腺腫例2,3)に対する治療として散見されるようになったが,腺腫例に対してですら未だ外科的切除が第一選択されることが多いようである.消化管における粘膜切除術(EMR)と同等の評価を受けない理由は技術面と診断面に問題があると考えられる.すなわち,胆膵管の開口部であるという解剖学的特徴による安全性の確立の不十分性,そして,従来の診断学では早期癌の診断や腫瘍の胆膵管内進展の詳細な診断が困難であるため,その適応決定が不十分であることが主たる原因であろう.乳頭部領域においては管腔内超音波検査法(intraductal ultrasono-graphy:IDUS)により診断能が向上し,早期癌の診断も得られるようになった4,5),筆者らは内視鏡的切除の適応を腺腫および早期癌とし,十分なインフォームドコンセントのもと施行している.以下に,内視鏡的乳頭切除例を供覧する.
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