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特集 画像で決める癌手術の切除範囲—典型症例総覧 Ⅳ.結腸癌
皮切部位を考慮した吊り上げ式ハンドアシスト腹腔鏡下腸切除術—HALS
著者: 亀山雅男1 藤戸努12 村田幸平1 横山茂和1 山田晃正1 宮代勲1 土岐祐一郎1 大東弘明1 平塚正弘1 佐々木洋1 石川治1 今岡真義
所属機関: 1大阪府立成人病センター第1外科 2新千里病院外科
ページ範囲:P.131 - P.134
文献購入ページに移動最近,早期癌に対する腹腔鏡補助下腸切除が盛んに行われるようになってきた.ところが,D3郭清を伴う進行癌の場合,かなりトレーニングを積まないと安全にできないという問題点もある.さらに,長時間気腹されることによる心肺機能への影響やport site recurrenceが懸念される.したがって,大血管周囲まで手術侵襲が及ぶ進行癌に対しては,大半の施設において未だに切開創を長くした標準的な開腹手術を行っているのが現状である.
このような背景から,筆者らは進行した大腸癌に対してもリンパ節郭清を安全かつ迅速に行えるように,左手を挿入できる最小限の切開創と腹腔鏡との併用による吊り上げ式のHALSを開発した(図1).結腸癌に対する手術は基本的に栄養血管の根部結紮と腸管の授動の2つに分かれる.そこで本術式では栄養血管の根部郭清をmini-laparo-tomyで行い,腸管の授動を腹腔鏡補助下で行うように考案した.Surgical trunkあるいは下腸間膜動脈といった中枢側のD3郭清を,正中創の直視下に行うことができれば安心できるし,何か起こってもすぐ対応できるというメリットがある.さらに,切開創が正中にあることは疼痛の緩和というメリットもあわせて持っている.
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