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文献詳細

雑誌文献

臨床外科56巻11号

2001年10月発行

文献概要

特集 画像で決める癌手術の切除範囲—典型症例総覧 Ⅳ.結腸癌

完全閉塞を伴う結腸癌に対する一期的手術

著者: 河村裕1 小西文雄1

所属機関: 1自治医科大学附属大宮医療センター外科

ページ範囲:P.153 - P.158

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症例
 症例は54歳,男性.開腹手術歴なし.3日前から出現した腹部膨満,排便・排ガスの停止および嘔吐のため受診した.身体所見上著明な腹部膨満を認めた.腹部に圧痛はなく,腫瘤を触知しなかった.直腸指診でも腫瘤は触知しなかった.
 腸閉塞が疑われ,直ちに腹部単純X線写真を撮影した.臥位の写真では多数の高度に拡張した小腸ループが認められ,立位の写真ではこれら小腸ループが鏡面像を形成していた(図1,2).大腸ガスは目立たず,左側結腸内に便が認められた.以上から,遠位小腸ないし大腸の閉塞と診断した.腹部所見からは絞扼はないと考えられた.原因診断とともに絶食・補液および減圧が必要であり,入院加療とした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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