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文献詳細

雑誌文献

臨床外科56巻11号

2001年10月発行

文献概要

特集 画像で決める癌手術の切除範囲—典型症例総覧 Ⅳ.結腸癌

結腸癌穿孔例の緊急手術と人工肛門造設術

著者: 丸田守人1 前田耕太郎1 内海俊明1 滝沢健次郎1 佐藤美信1 升森宏次1 青山浩幸1 千田憲一1 勝野秀稔1

所属機関: 1藤田保健衛生大学消化器外科

ページ範囲:P.159 - P.163

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はじめに
 消化管穿孔と診断されると穿孔性腹膜炎を治療することが第一の目的となる.腹膜炎に対しては可及的汚染の除去,腹腔内洗浄,良好なドレナージを行い,原因となっている穿孔部位に対しては術前の患者の状態を考慮して,穿孔部を単に閉鎖するか,穿孔部を腹腔外に留置するか,原因となっている穿孔部位を切除して断端を両側あるいは口側のみ消化管瘻とするか,切除して断端を吻合するか,切除して吻合し,さらに口側に一時的人工肛門造設するかなどさまざまな術式がとれる,最も大切なことは緊急手術であるから,患者を救命することであって,穿孔部位をどうするかはあくまで二の次である。消化管穿孔の中で,結腸癌による穿孔はその頻度は必ずしも高くない.穿孔の頻度は医療施設の置かれている状況により結腸癌全体の1.1%から7.8%とさまざまであり1,2),はっきりした統計が出ていない.同様に緊急手術の術式として何が一番良いかを決めることも難しい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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