icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科56巻11号

2001年10月発行

文献概要

特集 画像で決める癌手術の切除範囲—典型症例総覧 Ⅴ.直腸癌・肛門管癌

早期直腸癌に対する内視鏡的粘膜切除術,経肛門的局所切除術

著者: 荒木靖三1 白水和雄1

所属機関: 1久留米大学医学部外科

ページ範囲:P.166 - P.168

文献購入ページに移動
はじめに
 早期直腸癌に対する治療は局所切除とリンパ節郭清を伴う直腸切除が行われる.sm直腸癌のリンパ節転移の頻度は10%あまりで1,2),リンパ節転移の危険因子は「大腸癌取扱い規約」3)では,①明らかな脈管内浸潤陽性,②低分化あるいは未分化癌,③粘膜下浸潤が深い浸潤のうち1項目以上を有するものとしている.しかしながら,実際にはこれらのうち癌の分化度と壁深達度以外は術前診断困難な因子であり,低分化あるいは未分化癌以外の癌でmassiveな粘膜下浸潤のない早期癌症例が局所切除の適応と考えられる.したがって,局所切除術後に原発巣から十分な病理学的診断を行える診断と治療を兼ねた切除方法が要求される.また,腫瘍の局在部位や大きさによって治療方法は選択される.
 本稿では早期直腸癌に対する内視鏡的粘膜切除術(EMR)4,5),経肛門的腫瘍切除術6),TEM7〜9)の適応と方法について解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?