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特集 画像で決める癌手術の切除範囲—典型症例総覧 Ⅵ.肝癌
肝細胞癌に対する肝左葉切除術
著者: 矢永勝彦1 兼松隆之1
所属機関: 1長崎大学医学部第2外科
ページ範囲:P.203 - P.207
文献購入ページに移動はじめに
肝左葉はCantlie線の左側で,外側区域(S2,S3)と内側区域(S4)から構成され,肝全体の約35%を占める.栄養血管は門脈左枝と左・中肝動脈であり,肝動脈奇形は左胃動脈由来の左肝動脈が約17%の頻度でみられるが,門脈左枝の奇形はまれである.灌流静脈は左肝静脈と中肝静脈の左側である.胆管系はb2,b3,b4がいろいろな形で合流して左肝管となり,これが右肝管と合流するが,ときに後区域肝管が左肝管に合流することがある.本稿では肝細胞癌に対する肝左葉切除術の適応につき,症例を提示しながら述べる.
肝左葉はCantlie線の左側で,外側区域(S2,S3)と内側区域(S4)から構成され,肝全体の約35%を占める.栄養血管は門脈左枝と左・中肝動脈であり,肝動脈奇形は左胃動脈由来の左肝動脈が約17%の頻度でみられるが,門脈左枝の奇形はまれである.灌流静脈は左肝静脈と中肝静脈の左側である.胆管系はb2,b3,b4がいろいろな形で合流して左肝管となり,これが右肝管と合流するが,ときに後区域肝管が左肝管に合流することがある.本稿では肝細胞癌に対する肝左葉切除術の適応につき,症例を提示しながら述べる.
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