文献詳細
米国でのProblem-Based Learning形式による外科研修
Problem-Based Conference(1)—Problem-Based Conferenceとは何か
著者: 町淳二1 児島邦明2
所属機関: 1ハワイ大学医学部外科 2順天堂大学医学部第2外科
ページ範囲:P.1525 - P.1533
文献概要
私(町)は,1977年に順天堂大学医学部を卒業し,その後,沖縄県立中部病院,イリノイ大学医学部外科,久留米大学医学部外科,ペンシルベニア医科大学外科などを経て,現在,ハワイ大学医学部外科に所属しています.その間,日本での卒後研修レジデントを経験するとともに,また医学教育の指導にもあたりました.一方,米国においても外科レジデントを5年間経験したのち,現在レジデントならびに医学部学生の指導にあたっています.
日本と米国での医学部学生教育と卒後研修教育には種々の相違点がみられます.米国での一般外科卒後レジデント研修をみてみますと,これは全米どこにおいても5年間で完了するよう決められています.従来から指導医(attending)が研修医(resident)と医学生を教育し,研修医も学生の教育に積極的に参加しています.研修・教育に対する評価が積極的に行われていますが,これは指導医が一方的に研修医や学生を評価するばかりでなく,レジデント教育施設や指導医も評価を受けます.研修医と医学生の教育は,主として実際の臨床の患者ケアを通して実施されています.研修医ばかりでなく医学生に対しても,指導医による一方的な系統的講義による教育は非常に少ないのです.
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