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文献詳細

雑誌文献

臨床外科56巻12号

2001年11月発行

臨床研究

腹腔鏡下天蓋切除(deroofing)と遺残嚢胞壁焼灼を基本とした肝嚢胞治療

著者: 權雅憲1 乾広幸1 上山泰男1

所属機関: 1関西医科大学第1外科

ページ範囲:P.1535 - P.1539

文献概要

はじめに
 非寄生虫性肝嚢胞の頻度は4〜7%で加齢とともに増加し,通常は胆管や脈管に浸潤することはなく胆管との交通もみられない1,2).大部分の患者は無症状であるが,嚢胞内出血や破裂,感染,嚢胞による圧排,肝実質の萎縮により症状が出現し,これら有症状例には治療が必要となる.
 肝嚢胞に対する手術としては嚢胞の開窓術や天蓋切除(deroofing)が安全で有効であり広く行われてきた3,4).近年,侵襲の軽減を目的とした腹腔鏡下開窓術や天蓋切除術が行われている.しかしながら,腹腔鏡下治療を施行した肝嚢胞の再発評価に関しては多くの報告がなされているが,経過観察期間が短いことと再発の評価法が一定でないことから不十分である5,6).筆者らは肝嚢胞に対して広範な腹腔鏡下天蓋切除とアルゴンビーム凝固器(以下,ABC)による遺残嚢胞壁の焼灼を基本としており,その有用性を術後再発の観点から検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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