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文献詳細

雑誌文献

臨床外科56巻13号

2001年12月発行

文献概要

特集 IVRの現状と問題点

IVRによる門脈圧亢進症の治療

著者: 近森文夫1 高瀬靖広2 渋谷進2 河島孝彦2

所属機関: 1国吉病院消化器外科 2つくば双愛病院外科

ページ範囲:P.1601 - P.1608

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 門脈圧亢進症におけるIVRには純粋なIVRと内視鏡を併用した内視鏡的IVRがある.前者にはバルーン下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)/経頸静脈的逆行性塞栓術(TJO),経皮経肝静脈瘤塞栓術(PTO),部分的脾動脈塞栓術(PSE),左胃動脈塞栓術(LGE),経皮的肝内門脈静脈短絡術(TIPS)が,後者には内視鏡的栓塞療法(EE),シャント閉塞下硬化療法(SO-EIS)が含まれる.この中でEEは食道胃静脈瘤治療の中心的位置にあり,適用頻度は最多で,他の治療法はそれを補完するものとして位置づけられる.
 B-RTO/TJOは胃静脈瘤消失効果において勝れ,成功率は93〜100%と良好であるが,治療後の食道静脈瘤発生が主な問題点となっている.TIPSは門脈系減圧効果に勝れ,成功率は94〜97%と良好であるが,治療後の肝性脳症発生やステント閉塞が主な問題点となっている.内視鏡的治療も含めて,各種治療法を組み合わせることで各々の問題点はカバーされうるものと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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