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文献詳細

雑誌文献

臨床外科56巻13号

2001年12月発行

文献概要

特集 IVRの現状と問題点

腹部大動脈瘤に対するステントグラフトの現状と将来

著者: 江里健輔1 善甫宣哉2 竹中博昭2

所属機関: 1山口県立中央病院 2山口大学器官制御医科学講座(第1外科)

ページ範囲:P.1609 - P.1615

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 大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術は開胸,開腹を必要としないことから,最近注目されてきた治療法の1つである.しかし,本法は新しい治療法のため,ステントグラフトの耐久性,宿主血管の形態変化に伴うmigrationなど未解決な問題が多い.
 本稿ではここ数年間,腹部大動脈瘤に対し,本法を行った施設に本法の適応,合併症,手術成績などについてアンケート調査を行ったので,その結果を中心に述べる.腎動脈下腹部大動脈瘤に対し本法が374例に行われた.その死亡率は4.0%で,従来手術とほぼ同等であったが,エンドリークはtransient 11.2%,persistent 8.1%,secondary 3.2%と決して少なくない.本法は低侵襲で魅力的な治療法であるが,術式,ステントグラフトの改良など解決されるべき問題が多いことも強調したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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